えーっと前回は…”実態のない恐怖の化身、それのダンジョンいわゆる、実験室的なところで全身くまなくチェックされたあと
今の自分の厩務員の判断で、放牧地へ馬運車で運ばれていった、外の景色は綺麗だったなぁ途中その中にイモムシ恐らく蛾の幼虫?がいたから話してた
当然イモムシからしたら自分よりも何万倍もでかい黒い物体がブィィブィィヒヒンヒヒン言ってるだけだったとは思うけど、
で今回は…
赤いよだれ掛け、ここが”おうち“
いきなり、草原が広がっている放牧地の片隅にある干し草の匂いする、建物が寝床になってしまった話
自分を乗せた馬運車は昨日一晩走り回ったような草原についた、ここは放牧地なんだけど
今この段階ではどこにいるかは考えれなかった
車体後方の馬搬入用のドア?が空いて厩務員に頬革?っ顔につけてる革をチェーンで引っ張られて出された
外はまた夕方…やっと前世の人間の時間感覚で24時間丸々1日が経ったけど
やたら長く感じた。
3日か4日前くらいあるんじゃないかというくらい、気味が悪いくらいに時間の進みが遅いようだ。
24時間1日が人間のが3倍〜4倍に感じてそれで正常ヒヒン。流石に慣れたよ時間が少ないからいろいろ思いつくブィィ
個体差あるけど馬だいたい寿命は25〜30年くらい
それプラス、心理的パニックもあってさらに時間がゆっくり流れていたのかもしれないなぁ
馬運車から厩務員に降ろされて、厩務員に引っ張らられること数十秒馬を手入れする洗い場まできた
横に厩舎…つまり馬小屋がある
「ヤバイ…帰らないといけない」
って前世の頃に過ごしていた家に帰らないといけないって思うのも普通に考えたらヤバイけど
さらにこのとき自分でも何を思ったのか首にかけていた赤いよだれ掛け?的な物が前世の人間の頃に乗っていた赤い自転車だと思いこんでしまい、それを自転車だと言い張た
前世で乗ってた赤い自転車ではJR乗り遅れて何回汗だくだくになって、大学までいった田舎だから本数が少なくてさ…
しかもいくだけ教室前まで行って行って怖くて引き返したこともあった。
あと大学まで何キロも離れている中であと15分から10分で授講義の開始時刻、信号無視して行ったさ危なかったけど鼻息荒く…
これは現世でも同じくその時から“実態のない恐怖の化身”を感じてた
でもまだ教習所に通っていて免許は持っていなかったのでそれが唯一の移動手段だったなぁ
でも何で首にかけている赤いのが自転車だと思い込んだのかは分からない、馬なので視野が広いから首元まで振り返らずチラッと赤っぽいのが見えたからそれを自転車だと思い込んでしまったのかもしれない
首につけているとかそんなのどうでもいい
赤いから自転車と同じ色だから自転車、これに乗って家に帰ろうとと思った。けど
いったい首にかけてるのにどうやって乗るつもりだったんだろうか?
でも明らかに厩務員が体を洗う都合上邪魔なので首につけている赤いよだれ掛けを外そうとしてくる、
「ダメ!(ブギギギン)これないと帰れなくなる(ブヒィィィン)」
外そうとする厩務員を噛もうとしていたけれどかかっているのは首の付け根辺り、首を回してもギリギリ届か届かない場所
そして暴れた大きな鳴き声で叫んだ…恥ずかしいほど
「やめろー!(ヒヒヒィィィン)」
もう涙ボロボロだったな、後ろ足でも前足でも蹴って蹴ってしたけど、厩務員は何とか避けて行く…結局一旦外された。
一部始終を“洗い場”の横にある厩舎から馬何頭か自分の方を何も言わずに眺めていて、厩務員以外にも人間が何人かいたけれど馬の方も人間の方も、驚いた様子で軽蔑な眼差しで見ているように感じた。
そんなことで暴れるなんてダッセェーなぁって、キ◯ガイな馬だぁ って言ってないけどそう頭に聞こえた
ある意味でキ◯ガイは正解でも、バカにする意味じゃなくてマジな方。つまり精神病の状態
「大っ嫌いだぁ!(ブルルル)あぁああ見るなぁ(ブギヒィィン)」
だけど表現が苦手というか…ボキャブラリーが少なくなってしまってたのでそれしか浮かばなかった。
恥ずかしい、言ってしまえばその赤いよだれ掛けを外されるのは、人間でいうシャワーの前に服を脱ぐ脱衣をするようなこと
それも、自分でやっているんじゃなくて厩務員という人間にやってもらってる
何も出来なすぎて恥ずかしかった。
多少楽になれたヒィィンでも、自分で自分を締め付けてる。
締め付けてるからからまだ、もう前世の家には帰れなくなってしまったことは受け入れたくなかった、まぁけど少し暴れ疲れてしまったよ。
ずっと”大っ嫌いだぁ”と連呼しながら、目を瞑ってずっと…ブラッシングをされてぬるま湯をかけられて、さっぱりしてした
気がついたら終わってて…
厩舎の1番奥の部屋まで引かれていった
その1番奥の部屋までいくのも嫌な感じがする、下がコンクリートのような素材だから蹄の音が”カッポカッポ”と鳴る
“この音が嫌い”というわけではないむしろ好きけど、音源が自分だから自分が馬だということを自覚させられる
自分足音すらイライラするいやイライラっていうのかな?ちょっと表現に困る…表現に困ったら、叫んでしまうこれは今でも
1番奥の部屋(馬房)
1番奥の部屋には砂みたいに細かいオガクズが敷き詰められてて、それとさっき首からつけていた赤いよだれ掛けも片隅に置かれていた
「よかった自転車だぁ(ブルルル、ブルル)」
“ガラガラガッシャーン”入ったタイミングで厩務員に部屋のドア閉められた
小さな窓から放牧地の草原が見える柵があるけど地平線まで見えるけど、いい色には見えない
赤いよだれ掛けはなぜか傷だらけだったさっき外すときに暴れて傷ついただけにしたら、やたら傷が多過ぎる
昨夜一晩中”実態のない恐怖の化身”と走っていたからだろうかでも、どこかにぶつかったわけでもないし…
動物や生物ではないものに前世や来世という概念があるなら、その赤いのは本当に前世は赤い自転車なんじゃないかな?
だからあのとき
「ごめんなさい!すみませんでした。」
と、部屋に入れられてから赤いよだれ掛けに向かって謝った、鼻の先が前足の蹄につくくらい首を曲げて陳謝
でなぜ謝ったかというと
前世でJR乗り過ごして遅刻しそうな時、全力で自転車は漕いで行った、流石に馬の全力のスピードには劣るだろうけど、スピードは40km/h最高出力は1.3か1.4馬力くらいあったんじゃないか?
自分もヘロッヘロになって漕いで行って、自分の体もだけど
自転車のメンテナンスもしてなかった空気は入れない、ギアやチェーンに油はささない
それに加えてガッタガタな道や砂利道でもスピード落とさず突っ込むからホイールも歪む
おそらく赤いボディーも傷だらけだっただろう。しっかり確認したことなかったけど 傷だらけだったに違いない
だから、考えずに謝った”物”だから
「いいよ」や「許してやる」「お前なんか許さない」なんて返って来る訳ではない、それこそ言ってても馬の自分には理解出来ない返事だったかも知れない
でも謝った。
やがて段々暗くなってきてしまって人間は厩舎から出て、施錠(ロック)されて馬だけになった、そして馬になって初めて”馬房”で過ごす夜になった
厩舎の中にある個室、で寝床さっき部屋って言ってたのは馬房のことブィィ。
自分の馬房の隣のE.S(イーエス)、向かいにはC.Na(シーナ)そして彼女の隣にはCR.ZG(クロジゴン)っていう自分と同じく黒馬だけど自分よりかなり大きな馬がいて
この3頭が何やら自分のことについて話していた、悪口なのか心配しているのか?分からないけど、悪くしか聞こえない…それ以前に馬の言葉を理解出来てしまっていたので、
聴こえないフリして赤いよだれ掛に、馬語で“ごめんなさい“と”すみません“を連呼してた…
今回はここまで次回は、馬として生まれてから3歳半(人間換算で18、19頃)までの記憶がなくなっていることまでいけるかな…あっちょっと次回から会話文方式でいこうと思う。
やっぱ、馬に転生してよかったぁ。ここまで走ることに打ち込めるのは最高ヒヒン!