前回は、馬になって…というか転生しまって実態のない実態のない恐怖の化身が追っ掛けて来ていると感じてずっと走ってて
朝になって着てぶっ倒れて人間にホースで水かけられていたところから話したからその続き
今回は朝日に鳴き吠えてハローニューワールドそして3年半年落ちの中古のお馬さん
東の空が明るくなって来た朝、ぶっ倒れている黒馬(自分)は人間でホースで水をかけられた、
一晩中実体のない恐怖の化身に追いかけ回されていたから、脱水症状に加えてめまいが酷くて立ち上がれなかった。
正直水をかけられていて扱いが人間じゃない、数秒とせずに
「なんで馬なの…人間に戻りたい」
馬語?で呟く、もはやホースで水かけている人間からしたら聞こえていてもただの鼻息
いや多分聞こえてすらいなかっただろう。
数十分後、まだずっとその人間は自分を見ているようだ体が痛くなって来た。
前世の人間だった頃の死ぬ数日前から足に神経の痺れがあったそれに近く、
例えるなら正座した後に脚が痺れたような痛み、
内臓歪むし潰れるから水分不足もあるけど痺れも恐らくそのせい。
疲れは取れていない、けどこのまま寝っ転がってたら痛くて耐えられない。
震えてこわばる前足と走りすぎて痙攣している後ろ足でなんとか立ち上がり、
正座をしたような痺れだけは消えた
けれど痛い。一晩中走っていたから
ちょうどその頃…東から太陽の光が飛び込んで来て真っ黒な体にに突き刺さる
日の出だ
寝っ転がって生じた痺れはすぐに引いていってつかの間の気休めが出来たけれど
太陽の光の眩しさと自分は正反対な状態、黒だ。姿も…心も捉え方なんてドス黒、hyper Black(ハイパーブラック)と呼ぶにふさわしい。
体が黒いのは仕方ないね、そういう色素だしそれに黒馬の何が悪いんだろうか?どっかで聴いたけどBlack is beautiful(黒は美しい)
前世で人種差別した覚えはないけど、自分の体の色さえ悪くとらえてしまっていた。
「うわぁぁぁぁーー!!(ヒヒィィィンブルルル……ヒィィヒィン)」
訳もなく意味もなく、感じるより先に上がってくる朝日に向かって鳴いて吠えた
本当に意味はないよく分からない。
その意味が分からないのを理解しようとしたけど、到底分からずにとさらに鳴いた
悲しいとか苦しいとか嫌いじゃない…よく分からない
でもいつ以来だっただろう。こんなに”大きな声”を出したのは…朝の抜ける空気、草がカサカサと揺れて空高くに鳥が飛んでる
現にさっきホースを水をかけてくれたこの人間は何者なんだろうか…それすら分からない、ずっと自分のことを見ているようだ。
何はともあれぶっ倒れた状態から助けてくれたから、悪い人ではないだろう、でも怖かった。ずっと見られているから
「はぁ?ずっと見られてる。なんか怖い、この人間ちょっと嫌い。襲ってこないかな?」
そう思ったときまるで考えていることが人間ではないと思ってしまって、パニックになってしまった
もしまだ少しでも人間としての要素が残っているならば訳も分からず嫌いになってはいけない、そう思ったが
直感的によく分からず、彼に対して”嫌い”と感じて警戒してしまった
「あぁアホ!何を思ってるんだ…嫌いになったらダメだ」
その場でジタバタする。
しかし体は一晩中、実態のない恐怖の化身から逃げて走っていて身体はボロボロ。ちょっとジタバタしただけで節々が痛い。特に前足は動いている感覚がないくらいだった
走りすぎて痛さにあまり動けない、すぐに力つきてしまった。
前世で困った事があったら走って忘れられた。それが体の痺れでできなくなって、出来ない事に対する不満の吐口を失ってしまったのが自殺の要因
今”実体のない恐怖の化身”が襲ってきてもこの人間が襲って来ても逃げれない
「いやだから、この人間は怖くない敵じゃない…敵じゃない」
そう思うほどに鼻息が荒くなる、
けどそのホースで水をかけてくれた人間への警戒は間違っていなかった、何と自分の顔をいきなり触ってきたと思ったら、今度は背中や首を触ってくる
それが怖かった。普通のお馬さんに接するように当たり前な接し方したんだろうけど
で結果、怖く感じでてその人間噛んでしまった。思いっきりではないし振り払うつもりだったけど、アザが腕にできたようだ
そのアザを見て、死にたくなった。さっき1分2分前朝日に吠えて”ハローニューワールド”
なんならこの世界に自我を持ったのは昨日の夕方からだっていうのに
早速”死にたい”と
近くに壁…コンクリートだろうか?硬そうだ
種類にもよるけど馬は全力で走ったら平気で50km/hを超えて最高で80km/hを瞬間的に出すこともある
「思いっきり走って突っ込んだら死ねる」
またまた、この世界に別れを告げようと思った。
誰か(ホースで水をかけてくれた人間)をよく分からず嫌い、それにアホと感じて自身で葛藤の末にただ触っただけで怖くて噛んでしまう
クソだクソ
一晩中走っても体が実態がない恐怖の化身と散々鬼ごっこして節々が痛くなっておしまい、ストレスは消えないむしろ増す一方。…クソみたい
しつこいけど一晩中走って、足が動かなかったので速く走るのは無理
おそらくそのコンクリートの壁目掛けて死ぬためにはかなり蹄の音をならして耳で風の音を聞きながら突っ込まないと出来ない。
ましては蹄の軽快の音や走って耳を切る音は嫌いに感じていた、
走るのは好きだけどそれは“自分はお馬さんです”って言いながら走っているようなもの。
まだ人間に戻りたいと思っていて、視野が後ろまで見えて音特に高音がクリーンに聞こえる馬の自分が受け入れられない。
がそれでも出せる限界の速さ、確か速歩(ハヤアシ)で突っ込んだ。
けれどコンクリート壁を目の前にして怖くてなんとか止まれた
…止まったのは死ぬのは怖いこと感じたからだ。少なくてもその瞬間そう感じられた
その空きを狙っていたのが横から、さっきホースで水かけてくれた人間に胴体に何か注射針的なものを刺されたっけ?
チクッとした痛みが出たけれどもはや、痛いと叫ぶ気力も残ってないし、
さっきみたいに振り払おうとして噛むような、勝手に自分の歪んだ価値観で定めた死罪行為?を行うことは当然出来ず。
脱力してその場に崩れ落ちた。
「やっぱりこの人間は、嫌い…いや嫌ったらダメださっき噛んじゃった仕返しだ。…仕返しは自分がやったより大きく返ってくる」
首をカクカク動かして気が遠くなって行く、また死んじゃうんだろうか?いやこれただの麻酔だよ。死なない死なない。
当時まだあの3歳馬半の自分じゃ冷静に気がついていなかったけど言っちゃえば前世の記憶、
現世の自分が生まれるよりも前の過去について考えて楽しいのか
まぁしばらくして馬として生まれてから3歳馬半まで(人間換算だったら3歳半馬は18歳19歳)
それの記憶がなくなっていることに気がついたけどそれはまだ先の話。